茸(きのこ)を漢字で見ると楽しい也【前編】


 
 

菌茸類とは

 
 
一般の方が使う機会は少ないですが僕たちきのこ問屋や八百屋さん、市場などではきのこの事を『菌茸類』という漢字で表すことがあります。

菌茸類、なんか堅苦しそうな漢字ですよね。
 

≪事務員さんに書いてもらった菌茸類≫

①茸(きのこ)の漢字は楽しい也!【前編】

これは『きんたけるい』と読みます。
 
 
堅いイメージがあるし、そもそも青果業界以外ではあまり使わないので僕自身もほとんど使わない言葉ですが、きのこ問屋として公的な文書(?)を作るときなどはこちらの漢字を使います。

”菌”はカビや乳酸菌など菌類(きんるい)を表す漢字でもありますが”菌”一文字でくさびらと読みきのこを表す漢字でもあります。
滋賀県栗東市にある菌神社(くさびらじんじゃ)はきのこを祀った神社です。

②茸(きのこ)の漢字は楽しい也!【前編】

”茸”の音読みはタケで訓読みはきのこ
この漢字もずばりきのこを表しています。

”菌茸類”なんて堅い言葉のように感じますが要は”きのこ類”と同義語なんだと思います。
 

≪露木も書いてみた菌茸類≫

③茸(きのこ)の漢字は楽しい也!【前編】
 
 

きのこを漢字で書いてみよう!

 
 
菌茸類の中でも椎茸・舞茸は漢字で書くこともありますが、その他のきのこは基本的にカタカナかひらがな表記が多いです。
えのき・ぶなしめじ・なめこ・マッシュルーム・バイリング・トキイロヒラタケなどなど。

ですがこれらのきのこの名前にも一応漢字が充てられています。
しかも一部のきのこの漢字、かなり萌えるものがあります(´∀`*)ポッ

というわけで今回は漢字からきのこを紐解いていきましょう!
 
 

占地と湿地の違い

 
 
まずは八百屋さんやスーパーさんに並んでいる身近なきのこ橅占地(ぶなしめじ)
”ぶな”の部分はブナの倒木から生えるからとのことで”橅”の漢字を使います。

①ぶなしめじの生産者一押しレシピ。【ぶなしめ唐揚げ】がビールと相性が良すぎたのでご紹介!

問題は”しめじ”の部分。
占地と書く場合と湿地と書く場合があり、それぞれの漢字から

占地・・・地面を占めるほどびっしり生えるから
湿地・・・湿った地面から生えるから

と読み取れます。
 
 
どちらを使うのが正解なのか調べてみましたが、きのこ図鑑などでも占地の場合も、湿地の場合もあるので一概にどちらが正しいと言うわけでは無さそうです。
僕の好みで今回は占地を使っていきます。

⑨茸(きのこ)の漢字は楽しい也!【前編】

それでは色んなしめじを漢字で書いてみましょう!
 

本占地(ほんしめじ)

調べても由来がイマイチわからなかったのですが、おそらく昔は単に”しめじ”と呼ばれていて、いろんなしめじが見つかる中でややこしいため『本当のしめじはこいつだ!』と言う意味でほんしめじと名付けられたのではないかと思います。
 

畑占地(はたけしめじ)

畑から生えているのを見つけたためはたけしめじ
人工栽培可能でスーパーでも見かけるようになってきました。

①【乾燥はたけしめじ・ミニサイズ】旨味が良く、うどんにぴったり!

霜降占地(しもふりしめじ)

霜が降る晩秋に生えるしめじだからしもふりしめじ
食感が良く非常に美味なんだそうです。まさに霜降肉級きのこ?!
 

春占地(はるしめじ)

そのままずばり、春に生えるしめじです。
梅の木の近くに生えるのはウメハルシメジ、桜の木の近くに生えるのはノイバラハルシメジと分けられています。

④茸(きのこ)の漢字は楽しい也!【前編】
(写真:コイケハルカさん)
 

桜占地(さくらしめじ)

大人気!男の子2人組のフォークデュオ・・・の名前でもありますが、桜色をしたしめじ。
ちなみにデュオの方は生で見た事あります。可愛かったです(親の様な気持ち)。

⑧茸(きのこ)の漢字は楽しい也!【前編】
 
 

食用栽培きのこ

 
 
冒頭でも書いた通り椎茸・舞茸は漢字で書くことも多々ありますが、その他の栽培きのこはひらがなかカタカナ表記が基本です。
しかしちゃんと漢字はあるのです。
それでは栽培きのこの漢字を見ていきましょう!
 

榎茸(えのきたけ)

榎木(えのき)の倒木や切り株から生えていたからえのきたけです。
真冬に雪の中から顔を出す事もあるため別名雪ノ下(ゆきのした)ともいいます。
 

滑子(なめこ)

ヌルっとした滑りがあるから”滑”は良いとして。
子に関しては露木の想像ですが、中国ではきのこの名前に『○○菇(こ)』とつくものが多くそこから来ているんじゃないかと思います。
ただ単に小粒できのこの子供みたいだからナメ子、という可能性もありますけど。

⑤茸(きのこ)の漢字は楽しい也!【前編】

作茸(つくりたけ)

これはマッシュルームの和名です。
漢字から栽培するために日本に入ってきたきのこということが読み取れます。
『西洋松茸(せいようまつたけ)』なんて呼び方もあったようです。
 

木耳(きくらげ)

木耳はもともと中国の表記で、木から生えた耳の様な形だから。
和名のキクラゲに漢字を充てるなら木海月の方がカッコよかったなぁ。
 

楡木茸(たもぎたけ)

楡の漢字はニレと読みますが、楡木でタモノキとも読むことができるようです。
野球のバットの原料にもなるタモノキから生えるからたもぎたけ
東北や北海道で自生し、機能性が高いためサプリの原料にもなっています。

⑧煮込んで5分ですぐ美味しい『贅沢なきのこ汁』きのこ10種類入り!

山伏茸(やまぶしたけ)

山伏の衣装の袈裟飾り(モフモフしたやつ)に似ていることからやまぶしたけ
別名もいろいろあり、うさぎの背中に似ているから兎茸(うさぎたけ)とか針千本(はりせんぼん)など地域によって異なります。
 

花弁茸(はなびらたけ or かべんたけ)

こちらがハナビラタケ(栽培品)。
⑬煮込んで5分ですぐ美味しい『贅沢なきのこ汁』きのこ10種類入り!

こちらがカベンタケ(天然もの)。
58神奈川県の会社員が見た天然きのこ Best3【2015年まとめ】

どちらも『花弁茸』で、なんと漢字が被ってます!
カベンタケは今のところ栽培されていないのでそうそう混同することはないと思いますけど、きのこは種類が多いのでこんなこともあるんですね。
はなびらたけはその名の通り白いお花のような可憐なきのこでコリコリした食感が良く美味しいです。
 

POINT:エリンギの漢字は?

不思議なネーミング”えりんぎ”にはいったいどんな漢字が充てられているのでしょうか?

⑤デトックス食材といえばキノコですが、デトックス効果の高いおすすめキノコは?

実はそもそもエリンギは日本語から付けられた名前では無いので漢字表記は無いんです。
これはきのこの学名の一部分がそのまま商品名となったものです。
 
エリンギの学名は
『Pleurotus eryngii  プレウロタス・エリンギ』
 
”プレウロタス”はヒラタケ、”エリンギ”はきのこが生える『エリンギウム・カンペストレ』という植物の名前からきています。
エリンギウム・カンペストレは中央アジア・アメリカ大陸・地中海地方に分布していますが日本には生えていません。
エリンギは海外から入ってきたキノコなんです。
 
ちなみにエリンギの中国語表記はあり『杏鮑菇』と書きます。
露木は当て字で柄輪木(えりんぎ)を推しておきます(ウソです)。

 
 

おめでたい名前のきのこ

 
 
きのこの中には何やらおめでたい名前を冠したものがあります。
漢字で書くとありがたさ倍増に見える?!
気がしませんか?
 

三鈷茸(さんこたけ)

三本の触手をてっぺんでくっつけたような形をしているから三個茸・・・かと思いきや密教の法具『三鈷(さんこ)』の形状に似ているからさんこたけといいます。
 

布袋占地(ほていしめじ)

七福神の布袋様が由来。
軸の下部がふくらんだ形状が布袋様のお腹を連想するから、と言うことのようです。
 

大黒本占地(だいこくほんしめじ)

これまた七福神の大黒様が由来。
ぷっくりした軸の形状が大黒様のありがたーいお腹を連想するからです。

①『本しめじ』入りお雑煮レシピ。本しめじはお正月にぴったりのおめでたいきのこ!

仁王占地(におうしめじ)

お寺の入口の左右に立ち『あ』『うん』の表情で敵を追い払う仁王様。
それを彷彿とさせる巨大なきのこ。
ニュースで『巨大きのこ出現!』と言えばたいていニオウシメジ
 

万年茸(まんねんたけ)

中国ではかなり古くから薬として珍重されてきたきのこ。
漢方食材として食べるだけでなく、大きく成長したマンネンタケは高価なインテリアとして売買されたり、また縁起の良いモチーフとしても登場します。
(仏教画に描かれた雲のような形)
これを食べると長生きする、という意味の万年が由来でしょうねぇ。

⑥茸(きのこ)の漢字は楽しい也!【前編】

釈迦占地(しゃかしめじ)

お釈迦様の髪型『螺髪(らほつ)』に似た生え方をするからしゃかしめじ
きのこ問屋社長 市岡の出身地、岐阜県では『香りマツタケ、味シメジ、食ってうまいはイボコゴリ(シャカシメジの別名)』というほど美味しいきのこだそうな。じゅるっ。
 
 
 
ということで前編はここまで!
きのこの漢字を見ているとその名前の由来などを妄想しちゃって楽しいですよね。
使われている漢字からそのきのこの特徴に気づくこともあります。

漢字から茸(きのこ)を読み解く、なんてちょっとインテリな楽しみ方です。

⑦茸(きのこ)の漢字は楽しい也!【前編】

皆さんもぜひ気になるきのこを漢字で書いてみてくださいね。
 

きのこの漢字、後編では

  • 美味しいきのこシリーズ
  • 毒きのこシリーズ
  • きれいな漢字のきのこシリーズ
  • 空想生き物シリーズ
  • 超萌える漢字シリーズ

などををご紹介します。

 

それでは次回まで再見(ツァイチェン)!
 
 

茸を漢字で書くと楽しい、のまとめ

①業界用語(?)菌茸類(きんたけるい)は”きのこ類”とほぼ同義語
②きのこの漢字を見ているとその名前の由来などを妄想できます
③七福神やお釈迦様の名前を冠したおめでたいきのこもあるんです

 
 



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