鉄道会社がキノコ栽培?!阪神電鉄さんの挑戦


 
 

鉄道会社がキノコ栽培??

 
 
キノコ問屋で仕事しているからにはキノコの最新情報には敏感でなければなりません。
ということでちょくちょくきのこニュースをチェックしているのですが2015年末に気になるニュースが飛び込んできました。
 

シイタケ栽培事業に参入します

~鉄道高架下を含む低利用土地の活用施策として、試験栽培を開始~
ニュース元のリリースページ
 
 
なんと阪神タイガースの親会社でもある大阪の鉄道会社、阪神電鉄さんがシイタケ栽培事業に参入するというんです。

①鉄道会社がキノコ栽培?!阪神電鉄さんの挑戦

電車とキノコ、といえば車内食堂でキノコ尽くしの料理が堪能できる岐阜のキノコ列車を思い出しましたが今回はキノコを栽培しているとのこと。

鉄道会社が育てたシイタケ・・・なんか売れそう。
というきのこ営業マン的するどい直感(?)の元、先日大阪出張を利用して担当者様にお話をお伺いしてきました!
 
 

阪神電気鉄道さんとは

 
 
大阪と神戸を結ぶ私鉄で『阪神』の名前が入っていることからも分かる通り阪神タイガースの親会社
鉄道事業の他にも園芸事業や不動産事業、スポーツ事業なども手掛けています。
高校野球の聖地、甲子園球場の運営会社でもある、名実ともにビッグな会社様です。

キャッチコピーは『“たいせつ”がギュッと。』

②鉄道会社がキノコ栽培?!阪神電鉄さんの挑戦
 
 

線路高架下のシイタケハウス

 
 
阪神電鉄のシイタケ事業担当者様と阪神電鉄の千船駅で待ち合わせ。
まずは圃場を見させていただくことにしました。

駅から徒歩10分くらいの線路高架脇にあるビニールのハウスの中に・・・

③鉄道会社がキノコ栽培?!阪神電鉄さんの挑戦
 
ほだ木が並んでいました。
原木栽培という栽培法です。

④鉄道会社がキノコ栽培?!阪神電鉄さんの挑戦
 
お、シイタケが生えてる。

⑤鉄道会社がキノコ栽培?!阪神電鉄さんの挑戦
 
⑥鉄道会社がキノコ栽培?!阪神電鉄さんの挑戦
 
これなんか肉厚で美味しそう!

⑦鉄道会社がキノコ栽培?!阪神電鉄さんの挑戦
 
 
シイタケの栽培方法には大きく分けて原木栽培菌床栽培の2種類があります。

阪神電鉄さんの行っている原木栽培は適度な長さに切った広葉樹にシイタケの菌を植え付け育てる方法。
菌床栽培は広葉樹のおがくずを基に、米ぬかやふすま、大豆カスなどの栄養源を混ぜて練った菌床にシイタケ菌を植え付けて育てる方法です。

原木栽培と菌床栽培

栽培法についてもっと詳しくはこちら
 
 
一般に菌床栽培のほうが菌の植え付けから発生前の期間が短く済み比較的栽培も容易なので、新規参入する場合は菌床栽培を選ぶ方が多いです。
阪神電鉄さんはなんであえて難しい原木栽培にしたんでしょうか。
 
 

シイタケのブランド化を目指して

 
 
原木シイタケ栽培事業を進めている阪神電鉄の永田様にお話をお伺いしました。
 
 
-鉄道会社とキノコ。あまり接点はないように思うのですが-
 

『もちろん鉄道がメインの事業ですが少子高齢化で今後も電車に乗るお客様の数がずっと維持できるとは限りません。
そこで鉄道以外の新規事業にも挑戦していかなければいけないと考えています。
その事業案の中の一つで高架下空き地の有効利用にもつながることから2015年11月、キノコの試験栽培をスタートしました』

 
線路の高架下は駅近なら商業施設として利用できますが、ちょっと駅から離れると駐車場以外になかなか活用法がないのだそうです。
 

≪千船駅 高架下の商業施設≫

⑧鉄道会社がキノコ栽培?!阪神電鉄さんの挑戦
 
≪駅から離れた高架下≫

⑨鉄道会社がキノコ栽培?!阪神電鉄さんの挑戦
 
高架下空き地の活用として野菜の水耕栽培など施設園芸への利用も考えたそうですが大きい施設や設備が必要でかなりの投資が必要となります。

そこで浮上してきたのがキノコ栽培。
キノコは日当たりの悪い高架下でも栽培でき(もともとじめじめしたところがすきですから!)、ビニールハウスで栽培できるため設備投資も少なくすむんです。
 
 
-数ある栽培キノコの中でも労力と時間のかかる原木シイタケを選んだ訳は-
 

『風味が良い、良質な原木シイタケを栽培できれば”のとてまり”のようにブランド化できると考えたからです』

 
”のとてまり”とはのと115という特別な品種のシイタケの中でも傘の直径が8センチ以上、傘の厚みが3センチ以上、傘の巻き込み1センチ以上という条件を全てクリアしたものだけに与えられるブランド。
100個に1つしか採れないといわれる希少な原木シイタケです。
 

『今はまだ試験栽培の段階でのとてまりにはまだまだ及びませんが、上質なシイタケを安定的に栽培できるようにし、独自にブランド化していきたいと考えています』

 
≪質問に答えてくれる阪神電鉄の永田さん≫

⑩鉄道会社がキノコ栽培?!阪神電鉄さんの挑戦
 
なるほど!
のとてまりは初値で1枚4,000円(!!)もつけた高級ブランドシイタケ。
これはたしかに一つの目標になります。

鉄道会社が作ったから『てっちゃんシイタケ』とか安易なブランド名が露木の頭に浮かびましたがなんとか口に出さずに飲み込みました。
もうちょっとかっこいいブランド名を期待しましょう!
 
 
-今後の展望は?-
 

『まだ試験栽培の段階で安定した品質のシイタケが採れるよう試行錯誤しています。
本格的な販売はその後になります。

また今は菌を植え付けた原木を購入して栽培していますが、植菌(しょくきん)から自分たちで行い、栽培、販売まで一貫してやっていきたいと考えています』

 
なんとシイタケ栽培の現場で作業していたのは元駅長さんや元運転士さんら阪神電鉄のOBさんでした。
キノコ栽培達の素人たちが植菌から栽培、販売までやっていこうとしているのだからすごいですよね。

⑪鉄道会社がキノコ栽培?!阪神電鉄さんの挑戦
 
それにこれは思い付きの段階ですがという前置きの元、こんな話もしてくれました。
 

『地元である六甲山の環境保全を行い、その間伐材を原木に利用で来たら良いなと考えています。
まだまだ下調べが必要ですが』

 
木を伐るのがどうして環境保全なの?と思われがちですが、木が生えすぎた森は1本1本の木が十分に成長できず日光が差さないため新しい木も育ちにくくなります。
適度に伐採して隙間を開けてあげることで生き生きとした森が育つんです。

確かに六甲山の森を守りながらその間伐材でシイタケが栽培できたら素敵です。
実現できるといいですね!
 
 
 
阪神電鉄さんが参入した原木シイタケ栽培事業、なんだかいろんな可能性が感じられました。

露木の妄想ですが、

  • 鉄道ファンたちが喜んでくれるようなパッケージでの販売。
  • 駅構内や駅前マルシェなどを利用した販売やもぎ取り体験。
  • 干しシイタケやシイタケチップスなどの加工品にして駅中で販売とか。
  • (もちろん電車カードがおまけでついてる!)

など、いろいろ夢想するだけで楽しくなります!

それに労力と時間がかかるため原木シイタケ栽培から撤退する方がどんどん増えてきているのですが、阪神電鉄さんのような会社が原木シイタケに参入するのは驚きと共に大きな期待を寄せてしまいます。

⑫鉄道会社がキノコ栽培?!阪神電鉄さんの挑戦
 

『原木シイタケがもっと広まればいいなぁ』

と永田さんがポツリ。
 

僕も原木シイタケファンなので同じ気持ちです。
鉄道シイタケが皆さんの食卓に並ぶのが待ち遠しいですね!
 
 

鉄道会社がキノコ栽培?!のまとめ

①阪神電鉄さんは2015年11月から原木シイタケの試験栽培をスタート
②高架下空き地の利用、設備投資を抑えらえることからキノコ事業がマッチ
③”のとてまり”のようなブランド化を目指し、あえて労力と時間のかかる原木シイタケを選んだ

 
 



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