菌茸類(きんたけるい)の漢字が萌える
キノコの楽しみ方は千差万別です。
きのじかスタッフ露木の最近のキノコの楽しみ方はキノコの名前の漢字を調べること!
漢字からキノコの名前の由来を想像したり、使われている漢字でキノコの特徴に気付くことも。
漢字からキノコを深く知るなんてちょっとインテリな楽しみ方だと思いませんか?
POINT:菌茸類(きんたけるい)とは
青果物業界では写真の菌茸類という言葉を使うことがあります。
”菌”はカビや納豆菌などの菌類(きんるい)を表す漢字ですが、菌一文字でくさびらと読みキノコを表す漢字でもあります。
”茸”の音読みはタケで訓読みはキノコ。この茸も一文字でキノコを表しています。
”菌茸類”は要は”キノコ類”と同義語と捉えていただいて問題ありません。
前編では比較的身近なキノコやおめでたい名前のキノコの漢字を調べましたが、後編は美味しい天然キノコや毒キノコ、名前がきれいなキノコの漢字を勉強していきたいと思います。
≪前編はこちら≫
茸(きのこ)を漢字で見ると楽しい也【前編】
・・・ここだけの話、ちょっと長い名前とか意外性のある漢字が使われていると萌えます。
世界で人気の美味キノコ
まずは世界中で美味しく食べられる天然キノコ、ポルチーニやモリーユなど。
それぞれ和名があるんです。
ポルチーニ茸/山鳥茸(やまどりたけ)
日本のキノコの王様は松茸ですが世界的なきのこの王様はポルチーニ茸。
肉厚で香り高い美味しいキノコです。
これは輸入品の冷凍ポルチーニ茸。

そのポルチーニ茸の和名はヤマドリタケといいます。
比較的大きいキノコなので山鳥に見えたのが由来・・・かもしれません。
こちらは埼玉県で見たヤマドリタケ近縁種のヤマドリタケモドキ。
モドキでも美味しいキノコです。
トランペット茸/黒喇叭茸(くろらっぱたけ)
トランペット茸は、トロンペット・ド・ラ・モール(trompette de la mort)死者のトランペットと呼ばれているきのこで和名はクロラッパタケ。
日本でも西洋でもラッパに例えられています。
富士山で見たトランペット、きれいなラッパ型。

輸入乾燥物が市販されていて、これを炊き込みご飯にしたらとても美味しかったです。
≪参考記事≫
フランスのきのこ事情!フランス人は「トランペット」を食べてるってホント?
モレル/網笠茸(あみがさたけ)
頭に網笠(アミガサ)を被った様な見た目のキノコ。
春のキノコの代表格で美味しい食菌。
キノコ狩りが好きな人は3月くらいになるとこのキノコが見たくてソワソワし始めます。

≪参考記事≫
春きのこ、アミガサタケを探そう!
毒キノコシリーズ
食べられない毒キノコも写真を見たり漢字を調べたりする分には無問題。
ダイレクトに”毒”の文字を冠するキノコもあります。
月夜茸(つきよたけ)
カッコイイ名前はこのキノコの特性に関係しています。
ツキヨタケは夜になるとカサの裏側のが発光する光るキノコなんです。
写真は光るキノコマグネットガチャシリーズのツキヨタケ。

シイタケやヒラタケに似ているため、しばしば誤食して中毒してしまう人がいる気をつけたいキノコです。
紅天狗茸(べにてんぐたけ)
ベニテングタケは赤いカサに白い点々の可愛い見た目でアイドル的存在のキノコ。
白樺の近くに生える事が多いため白樺の無い神奈川県ではおそらく生えていません。
これは富士山で見たベニテングタケ。

こんなに可愛い見た目なのに紅天狗、漢字で書くとずいぶんと印象が変わるものです。
これか~(高尾インターチェンジの天狗)
赭熊網傘茸(しゃぐまあみがさたけ)
しゃぐまとはふくらんだ髪型のことで、時代劇に出てくる花魁さんの髪型のこと。
その髪型の形に似たカサを持つキノコです。
非常に毒性が強いのに海外では食用キノコとして認知されています。
毒抜きのために数回茹でるのですがその湯気を吸っても死ぬことがあるくらい強力。
しかしとっても美味らしいのです。
まだ見た事が無いのですが、いつかは食べてみたい・・・怖いですけど。
毒鶴茸(どくつるたけ)
美しい見た目なのに強力な毒キノコのドクツルタケさん。
デストロイドエンジェル(死の天使)の異名持ち、人を殺すほどの毒があります。
そんな怖いキノコですが比較的身近な場所にたくさん生えていたりします。

この美しい白が鶴を連想したんでしょうねぇ。
火炎茸(かえんたけ)
真っ赤で燃え上がる炎の様な形状をしているカエンタケ。
少年漫画のパワーアップアイテム(メラメラの実?)みたいな名前ですが危険な毒キノコです。
食べると死亡する恐れがあり、触れただけでも皮膚が炎症を起こす事があるため、発生する時期には毎年注意を促すニュースが流れます。
赤い燃えるようなキノコを見ても触らないようにしましょう。
きれいな名前のきのこ
恐ろしい毒キノコたちの後はきれいな名前のキノコ。
色の名前を入れたものやちょっとメルヘンチックなものまで。
空色茸(そらいろたけ)
その名の通り青空の様にスカイブルー色。
空色という名前のチョイスが素敵!
夏に生える小さめのキノコでまだ露木は出会った事がありません。
これはキノコ狩りの大先輩、くさびらじかるさんの撮影した写真。
きれいな青色ですね。

若草茸(わかくさたけ)
小さなキノコでその名の通り、新しく生えてきた若草のように明るい緑色をしています。
キノコ狩りの大先輩、キノコ女子コイケハルカさんの撮影した写真。
都内の公園で撮影されたそうなのでチャンスがあれば見られるかも!今度頑張って探してこようと思います。

椎灯茸(しいのともしびたけ)
八丈島などで見られる光るキノコ。
シイの倒木などから発生し、夜になるとぼんやり緑色に発光するためこの名が付きました。
梅雨時期~初夏にかけてが見頃だそうです。
写真は光るキノコマグネットガチャ。
萌える漢字シリーズ
みなさまお待ちかね(?)
露木的に萌える名前のキノコ達です。
緑青腐菌(ろくしょうぐされきん)
これはもう漢字萌え確実なキノコです!
富士山できのこ盆栽家 渋谷さんが拾ってきた木片が青緑色に染まっていました。
これが緑青腐菌(ロクショウグサレキン)。
エメラルドのような不思議な色合い、どうしてこんな色になるんだろう。
大木登猪口(おおきのぼりいぐち)
イグチという名称はカサの裏側に無数の穴(管孔)があいているキノコに付けられています。
ヤマイグチ、ハナイグチ、オニイグチなどなど。
漢字では猪口と書きます。
イノシシの口をじっくり見たことは無いので何とも言えませんが似ているんだろうか・・・
こんど山でイノシシに出会ったらじっくり観察しようと思います。
オオキノボリイグチはその名の通り木から発生する大きめのキノコ。
カサがまだら模様で可愛い、かなりお気に入りキノコです。
西洋松露(せいようしょうろ)
ショウロは地下生菌という半分地面に埋まった状態で発生するキノコです。
何を隠そう世界三大珍味のひとつ、トリュフはこのショウロの仲間。
セイヨウショウロはトリュフの和名です。
写真はトリュフを模したお菓子。和菓子にも松露(しょうろ)と名付けられたものがあります。
細々裂一夜茸(ささくれひとよたけ)
ヒトヨタケは成菌になると一晩の命でどろっと溶けてしまうので一夜茸(ヒトヨタケ)と名付けられました。
そのヒトヨタケ属の中でもカサがささくれているものがササクレヒトヨタケです。
栽培したササクレヒトヨタケは幼菌の状態で収穫され、コプリーヌという商品名で販売されています。
これ、美味しいです。

≪参考記事≫
一晩でさようなら?コプリーヌは自分を溶かしてしまう【悲しいキノコ】ってほんと!?
『キノコの名前を漢字で書いてみると萌える』は伝わりましたでしょうか。
普段表記しないからこそ、意外な漢字が使われていた時のギャップ萌えというか、え、こんな漢字だったの?!みたいなトキメキ(?)を感じますよね。
この気持ちを少しでも共有できましたら幸いです!
・・・なんだかちょこっと変な方向に行ってしまった気がしないでもないですが、キノコの漢字からよりそのキノコを深く知るきっかけになる事もあります。
気になるキノコは、ぜひ漢字も調べてみてください。
茸を漢字で書くと萌える、のまとめ
①菌茸類(きんたけるい)は”キノコ類”と同義語
②キノコの漢字からよりそのキノコを深く知る事が出来ます
③海外で人気のキノコにも和名がついているものがありちゃんと漢字もあります
おまけ
漢字が面白いキノコ達、紹介しきれなかった分ここに羅列しておきます!
生き物キノコシリーズ
雁茸(がんたけ)
狐蝋燭(きつねのろうそく)
蟹爪(かにのつめ)
鼈茸(すっぽんたけ)

珊瑚針茸(さんごはりたけ)
犬千本茸(いぬせんぼんたけ)
猿腰掛(さるのこしかけ)
大白蟻茸(おおしろありたけ)
鱒茸(ますたけ)
生き物キノコシリーズ番外 冬虫夏草
蜂茸(はちたけ)
蛹茸(さなぎたけ)
蝉茸(せみたけ)
台湾蟻茸(たいわんありたけ)
空想上の生き物キノコシリーズ
昇竜茸(のぼりりゅうたけ)
鬼猪口(おにいぐち)
天狗茸(てんぐたけ)
一文字+茸シリーズ
松茸(まつたけ)
杖茸(つえたけ)

埃茸(ほこりたけ)
脳茸(のうたけ)

箒茸(ほうきたけ)
これもぐっと来る萌え漢字キノコ
茶滑紡錘茸(ちゃなめつむたけ)
裏紅布袋占地(うらべにほていしめじ)
乙女笠(おとめのかさ)
血潮茸(ちしおたけ)
深山卵天狗茸(みやまたまごてんぐたけ)
襟巻土栗(えりまきつちぐり)